(岩手県)

 8月も終わり頃、東北を訪れた。秋田に用事があったからだが、しっかり夏油温泉に宿の予約をした。夏油温泉は岩手県北上市にある、昔ながらの湯治場の雰囲気を持った温泉だ。夏油と書いて「げとう」と読む。アイヌ語の「グットオ(崖のあるところ)」が語源であるとか夏に湯面が油のようにゆらゆら見えたから「夏湯」が「夏油」になったとかいろいろ由来があるようだ。とにかく入ってみよう。


元湯夏油


夏油温泉観光ホテル


国民宿舎夏油山荘


■夏油温泉とは
 夏油温泉というとイコール(=)「元湯夏油」のように紹介されることが多いが、宿泊施設は他にもいくつかある。またバスを待つ間に温泉に入れる立ち寄り施設もあるのだが、このへんの情報は行くまでさっぱりわからなかった。ということで結局泊まったのは「元湯夏油」。泉質はナトリウムカルシウム硫酸塩・塩化物泉だが内湯2つを含め計7つの湯はそれぞれ少しずつ泉質、効能が異なる。
■元湯夏油
 滝の湯以外混浴(大湯は女性専用時間帯あり)でバスタオル使用は禁止なので女性は勇気がいるかもしれない。妻と二人で真湯に挑戦したが、刺さるような視線を浴びてそこは5分くらいで出てしまった。底がヌルヌルとしててちょっと気持ち悪い。その後、私は川の向こう側にある女の湯に入った。こちらはちょっとぬるめ。質素な夕食後、滝の湯と疝気の湯へ。大湯は熱いらしいが、滝の湯で出会った老人の話によれば夏油へ来て大湯に入らなくては意味がないらしい。滝の湯は硫黄の臭いが強いが透明で気持ちよい。寝る前に内湯の白猿の湯と小天狗の湯に入って、大湯は翌日入ることにした。

大湯

神経痛、リュウマチ、皮膚病、外傷

滝の湯

皮膚病、外傷

疝気の湯

婦人病、痔

真湯

胃腸、ぜんそく、結核、虚弱児童

女の湯

眼疾患

白猿の湯

神経痛、痛風、高血圧、外傷

小天狗の湯

神経痛、リュウマチ、高血圧
■夏油温泉観光ホテル
 翌朝、誰もいない大湯へ入ろうと思ったら確かに熱い。なかなか中に入れなかったが、ここで最後なのでがんばって入った。熱い湯で目を覚まし、午前10:00にチェックアウトを済ませたがバスがない。今回は車移動ではないのでこのへんが辛いところだ。雨も降り出してきたのでどうしよう。と、そこには「新太郎の湯」の看板が見えた。どうやら夏油温泉観光ホテルの施設らしい。ここも混浴だが、一つの場所に4つの湯船がありそれぞれが違う温泉なので効率がいい。木造の建物には独特の雰囲気があり落ち着ける。平日だったこともあり、人も少なくてゆっくり入れた。ホテルの中でうどんを食べたがまだバスは来ない。
■北上市夏油温泉館
 最後に入った温泉館は一階と地階に畳の休憩室がある立ち寄り温泉施設だ。休憩室でテーブルがなく、ウロウロしていたら地元の人らしいグループがテーブルを一つ持って来てくれた。うれしい。ここでは温泉には入るつもりはなかったが、結局入ってしまった。
 バスを待つ間、ノートパソコンを拡げてカタカタと日記を書いていた。ふやけ気味の身体のままバスに乗り込み北上駅まで一時間、夏油温泉の旅は終了した。


北上市夏油温泉館

●ブラウハウス北上わっか園
北上駅近くにある地ビールレストラン。元湯夏油でも夕食時に地ビールを注文することができるが、ヴァイツェンのみ。ここでは全種類のビールが楽しめる。ピルスナー、ヴァイツェン、エールはグラスで450円。チーズのイタリアンサラダや牛タンの塩焼などがメニューにある。カニの唐揚がビールによく合う。

岩手県北上市青柳町1−2−11 0197-65-3970
営業時間:16:00〜22:00
定休日:毎週月曜日

●ほっとゆだ(川尻温泉)
 
温泉施設がそのまま北上線の駅舎になっているめずらしいところ。電車待ちの人のために中に信号機があって到着を知らせてくれるのがユニーク。

料金:200円(貸切風呂は1600円)
泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉


ほっとゆだ駅


貸切風呂



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