2000.7.26 MINT



 秋田の温泉はいつも濃くて満足の行く場所が多い。今回は泥湯温泉に行くことだけは決まっていたが、その後は未決定のまま出発。終わってみたら秋田の地獄巡りになっていた。温泉も良かったが、いくつかの地獄巡りは地球は生きているのだということを実感させられた。このような大自然の温泉を訪れると、ますます最近の温泉ブームに便乗しただけの中身のない温泉施設には行きたくなくなる。すっかり東北の温泉の魅力にハマってしまった。


奥山旅館 混浴露天風呂

■泥湯温泉

 泥湯温泉は湯沢ICを降りて、山の中にどんどん進んでいくと見えてくる。今回、宿泊したのは奥山旅館。その他にも数件宿があるが規模は奥山旅館が一番大きいようだ。


奥山旅館宿泊棟


別棟


 「泥湯」という名前からは茶色く濁った温泉を想像してしまうが、実際はやや薄い白濁したものと透明の二種類の湯が楽しめる。宿泊棟にあるのは内湯と大きな女性用、混浴露天風呂。別棟には内湯と温度の違う浴槽が二つある露天風呂がある。宿泊客が多いにもかかわらず、混浴でもほとんど気にならないほど人は少ない。湯はきめ細やかで包み込まれるような感覚が最高に気持ちがよい。


■川原毛地獄

 泥湯温泉をもう少し上に行くと川原毛地獄がある。着いた瞬間すさまじい硫黄臭で音を立ててあちこちから煙が上がっている。まさに地獄という景観で歩道を下っていくと川原毛湯滝の表示があった。すぐに行けるのかと思ったらかなり遠くにあることが判明。あわてて戻り、今度は泥湯温泉をさらに下りぐるっと回り込んで湯滝に挑戦することにした。


■川原毛大湯滝

 湯滝の駐車場から川原毛地獄が上の方に見える。そこを歩いてさらに下って行くと、暖かい川があり滝の音が聞こえてきた。ここは水着で入るのが一般的のようで、しっかり脱衣所が横に設置されている。滝と言ってもそれほど大きいものではないので滝壷がいい湯船になっている。暖かい滝というのが何とも妙な感じでいい。湯に入れるのは滝の場所だけでなく、歩道の途中にある川にもいい感じのスポットがある。

■七代目佐藤養助本店

 湯沢ICから398号線で泥湯温泉に向かう途中にある。稲庭うどん発祥の地、老舗の店。細くてコシのある麺で、ゴマたれつけめんが人気のようだ。七代目..と書かれたオレンジ色の看板がいくつもあるのでわかりやすい。


●稲川町稲庭20
0183-43-2911

■玉川温泉

 玉川温泉は有名になり過ぎた感じだ。観光バスが何台も止まり、予約がとれないせいか駐車場にテントを張って場所を独り占めにしている不愉快な車を何台も見かけた。「大浴場」と大きく書かれた木造の建物の中に入るといくつもの浴槽にじっと入っている人の姿が見える。源泉100%という文字はこの場所ではかなりキツイという意味になる。強い酸性にとにかく身体が痛くて長く入っていられない。源泉50%でもかなり濃いのがわかる。飲泉すると歯が溶けるというのもうなずける。


玉川温泉大浴場


玉川温泉露天風呂

■玉川自然研究路

 名前からは緑豊かな森林道を歩く感じだがまるっきり反対。草木が全くない硫黄混じりの蒸気の中を歩くいわゆる地獄巡りの道だ。98度の源泉がボコボコと沸き上がる脇で、むしろの上で何人も横になっている。少し歩いていくと簡素な木の枠だけの小さな露天風呂があった。生まれたままの姿の熟年男女が出たり入ったりしている。白濁の硫黄泉で泉質は柔らかい。

■後生掛温泉

 玉川温泉とは焼山を挟んで反対側に位置するのが後生掛温泉。立派な宿泊施設があるが、立ち寄りの場合は湯治部の受付で料金を払って入る。神経痛の湯、火山の湯と名付けられた内湯浴槽の他、泥湯、うたせ湯、露天風呂がある。ここの最大の特徴は箱蒸しがあること。最初は熱くは感じないが、何分か入っていると鼻に通る空気が熱くなって蒸される。美肌に効果がありそうな天然泥湯パックは女性客に人気のようだ。

■後生掛温泉自然研究路

 
どうやら玉川温泉とつながっているらしい道の途中には紺屋地獄や噴煙の中を泥湯が沸騰しているのが見える。ちょっと上って行ったところにみやげ処があって、そこで真っ黒な温泉たまごが販売されている。今回は途中で雨がひどくなり大湯沼までは行かなかったが、ここの自然研究路は一周すると40分かかるようだ。


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